認知症の母が夜中に何度も起きる|睡眠不足の限界とリビングでの見守り生活【第6回】

夜中に何度も起こされるようになったのは、いつ頃からだったのか。
正直はっきりとは覚えていない。

母が好きだった手芸が全くできなくなっていたとショックを受けた頃か。それとも、生活が少しずつ変わっていった中で、気づけば夜も落ち着かなくなっていたのか。

地獄のような日々だった。

ほんの半年ほど前の事なのに、遠い昔のように感じる。
極度の睡眠不足で、記憶もどこか曖昧。

今回は、認知症の母との夜間介護のリアルと、睡眠不足が人をどこまで追い込むのかを書こうと思います。

 夜間介護で寝る場所を変えた|リビングでの見守り生活

母の夜の行動に目が離せなくなり、私は寝る場所を自室からリビングに移した。
私の部屋は完全に独立していて、自室にこもると母の物音がほとんど聞こえない。

そのため、母の部屋の出入り口付近に布団を敷き、すぐに様子を見られるようにした。

母の部屋の入口の引き戸は締めていても、布団から手を伸ばせばすぐに開けられる距離だ。

認知症の夜間徘徊と不穏行動|30分おきに起こされる現実

夜になると、母はほとんど眠らなくなった。

正確には「眠らない」というより、何度も起きてしまうのだった。

トイレに行こうとしたり、部屋の中を歩き回ったり、物を動かしたり。
起きた直後の状況が理解できず、パニックになって大きな声を出すこともあった。

トイレの場所がわからなくなって、クローゼットに入ろうとすることもあった。

そのたびに私も起きて対応するしかなかった。

ひどい時は30分おき。
平均1時間、長くて2時間おきに起こされる。

そんな細切れ睡眠が、1年半ほど続いた。

睡眠不足の限界|認知症介護で崩れていく心と体

最初の頃は、その都度起きて様子を見に行っていた。

30分~1時間おきに起きて、母に声をかける生活だ。

でも、1か月ほどで限界がきた。毎晩これをつづけるのは、どう考えても無理だ。

寝させてもらえないというのは、拷問に近い感覚だ。

寝付いたとおもったら起こされる。
自分のペースで眠れない。
寝た気がまったくしない。

体も頭も重く、ぼんやりと靄がかかったような感覚だった。

日中にも影響が出始め、仕事でミスを連発するようになり、記憶も曖昧になっていった。

どんどん余裕がなくなり、母の行動にイライラすることも増えて行った。
「は?なに?!」と突き放したような言い方になり、言った後で後悔する。
すると母も不安になり、それが不満と変わり責めるような言葉を返してくるようになった。
ひどい時は「しんでしまえ」と言われたり、叩かれたりもした。
自分を守るための行動だとわかるけれど、私は受けとめきれなくなっていった。

悪循環だった。

この頃、私が何度も口にしていた言葉がある。それは、

「寝さしてくれ!頼むから!!」

介護は一人では無理|家族・デイサービス・職場に頼った話

そんな生活が1年ほど続いた頃、
ある日、母がデイサービスに行っている間に一人になった瞬間、突然涙が出た。

悲しいわけでもなく、ただ涙が止まらなかった。

限界だと思った。

この時、私はつらいことを妹に吐き出した。
妹は「聞くことしかできないけど」といって、長い時間、聞いてくれた。

デイサービスのスタッフの人にも相談した。
プロらしく、丁寧に対応してくれた。事例も教えてくれた。

友人にも話した。
外出の時、支えてくれた。

職場にも理解を求め、有休を取り、
母がデイサービスに行っている間に眠る時間を作った。

1人で抱えるには、あまりにも重すぎる問題だった。

夜間介護の対応方法|無理しないためにやめたこと・続けたこと

このままでは続かないと思い、自分なりの対応を考えた。

まず、自分を追い込まないように、全てに対応することを辞めた。

起きてごそごそはじめても、しばらくは放っておく。
必要な時だけ動く。

あまりにもひどいような時に布団の中から声をかける。

「どうしたの?」

その一言だけ。

声をかけると気が落ち着くことも多くあった。
そして、「トイレ」と言った時だけ起きるようにした。

トイレは付き添いが必要なので対応し、それ以外はできるだけ身体を起こさないようにした。

また、夜中の物移動による音が大きくならないように、母の部屋の物を減らした。

深夜のガタガタごそごそは結構響きます。
ごそごそをやめさせるのは無理だったので、「じゃあ、物を減らしてしまえ」と、棚の導入や物の移動を行った。

移動は、完全に防ぐことはできなかったが、かなり有効だった。
荷物の移動先の私の部屋はとんでもないことになったけど。

よく、動線を単純にといいますが、うちは賃貸住宅のコーポで、動線が複雑ではなく自然にできており、特に考えることはなかったです。

夜間の足元電灯も置くスペースがないので却下。夜間灯で対応していましたが、母の認識が甘くなってきているので、最近は明るい方が母にとっていいみたいです。

正直、この頃はどうすればいいのか分かりませんでした。

夜間の対応や排泄の問題については、別の記事で詳しくまとめる予定です。

 まとめ|夜間介護は一番つらい|認知症介護で感じた現実

夜の介護は昼とはまったく違うつらさがある。
暗くて静かで逃げ場がない。母と1対1で向き合うしかない時間だ。

不安から来る行動や言葉にどう対応すればいいのかわからず、私も混乱していた時期だった。

今振り返ると、
あの頃が一番、精神的にしんどかったと思う。

同じように夜の介護で悩んでいる方の参考になれば嬉しいです。

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